興味本位で親族の戸籍をさかのぼり取得した

この記事について

まずはこちらをご覧ください。

参考資料1: 正常独身青年、先祖の戸籍を取り寄せる

参考資料2:

www.youtube.com

この辺の記事、動画を見て、自分の親族がどのような系譜を辿って私が誕生したのかを純粋に知りたくなり、実際に戸籍をさかのぼり取得してきたのでその様子を記録します。

令和6年最新版戸籍のさかのぼり取得

戸籍は、直系尊属のものであれば、特に理由なく*1取得することができます。

www.e-koseki.com

冒頭に上げた記事、動画の通り、戸籍を親族の分まで取得するには

  • 自身の本籍地を調べる
  • その本籍地に郵送(または役所に持参)で、「直系尊属の戸籍謄本を取得したい」旨依頼する
  • その市区町村に保存されているすべての戸籍謄本が返ってくる
    • 1週間くらいかかるらしい
  • 得られた戸籍謄本には、その市区町村が本籍地ではない親族の本籍地、及び本籍地を変更したことのある人の直前・直後の本籍地も書いてあるので、それらをリストアップする
  • それらの本籍地に郵送(または役所に持参)で、「直系尊属の戸籍謄本を取得したい」旨依頼する
  • 以下ループ……

というふうに、家系を1つ遡る必要がありました。 大量の郵送も、定額小為替を買ってくるのも、返信までに1週間待たないといけないのもすべてがめんどくさそうです。

そのようなことを Twitter*2で呟いていたところ、フォロワーから……

超有益な本質情報を得ました。

www.city.koto.lg.jp

令和6年(2024年)3月より、戸籍謄本はどこの市区町村に記録されているものでも、最寄りの市区町村で取得できるようになりました。 郵送費用・封筒代も、定額小為替代( 小為替の額面にかかわらず1枚あたり200円もかかるらしい)もかからず、さらに申請から交付までの期間も1週間よりは短そうです*3

実際の申請と交付

(ここからの文章では家族のことについて触れるため、一部にぼかした表現・フェイクを入れた部分を含みます)

というわけで、役所の開いている平日昼に有休を取って、住民票を置いている自治体の役所で戸籍のさかのぼり取得をしてきました。

役所にはこのような申請書があり、直系親族の戸籍を可能な限り取得したい場合はどうすれば良いのかはよくわからず、とりあえず自分の本籍地を書いたうえで「私の本籍地から、両親の戸籍謄本を可能な限り過去に遡って取得してほしい」旨を書いて提出しました。

戸籍取得の申請書

明らかに私の本籍地の役所への通話が Skype によって実施されてるのを遠くから眺めていました。 どうやら、戸籍のデータ自体は本籍地のデータベースにのみ存在し、広域取得の申請があったときは、 Skype 等で電話をして、そのような戸籍のデータを申請者が取得する権利があるかをチェックし、問題なければその該当するデータのみを申請された役所に送っているようです(多分)。

30分ほど待ち、両親のうちのどちらか(以降では親Aとします)のすべての戸籍と、もう片方の両親(親Bとします)の結婚後のみの戸籍が返ってきました。 また、親Aの戸籍は、親Aが結婚前に親Aの親(私から見た祖父母)の戸籍にいた頃の戸籍も含むので、祖父母の戸籍の一部も取得することができました。

これらをもとに、この時点でまだ取得できなかった

  • 親Bの結婚前の戸籍
  • 親B側の祖父母及びその先の先祖の戸籍
  • 親A側の祖父母の、現在より前の戸籍
  • 親A側の祖父母より先の先祖の戸籍

などを取得するため、大量の本籍地を記入した複数枚の申請用紙を書こうとしたのですが、その様子を見た役所の方に止められてしまいました。

その役所の人いわく「取得済みの戸籍謄本があるのであれば、口頭で戸籍のさかのぼり取得をしたい旨を伝えてもらえれば、あとは役所でよしなに遡って問い合わせする」とのことで、大量の申請用紙を手書きする必要はないようでした。 どうやらこのような戸籍のさかのぼり取得は、同一自治体で取得できるようになってから日が浅く、オペレーションがあんまり決まりきっていないようで、役所の方々としてもいちいち私が戸籍謄本から書き写した 汚くて読みづらい 本籍地をもとに仕事をするよりは、戸籍謄本に印刷された文字を読んで広域取得の手続きをしたほうが楽だということで、そういう計らいになったようです。

この日は大安で、一般には婚姻届の提出で混雑する日付でしたが、同時に24時間に98mmの大雨で、役所の方いわく来庁者は普段よりかなり少なかったそうです。

本来、この自治体では戸籍のさかのぼり取得は即日交付をしていないはずなのですが、空いているからということで、最終的に曽祖父母が筆頭となる戸籍までを1日のうちに取得することができました。

親族の本籍地中には、市町村合併で名前が残っていない自治体の合併後の自治体に戸籍を取寄せなければいけないものや、市町村名に使われている漢字がとても難しく役所の方が読めなかったものもあり、特にわからなかったものについては「これってなんて読むかわかります…?」みたいな質問が私に飛んできたりしました。お手数をおかけしてすみません……

最終的に、役所の方には5つの自治体に電話をかけていただき、計13通の戸籍謄本・改製原戸籍を得ることができました。

戸籍のさかのぼり取得で得られた情報

得られた戸籍により、直系親族の名前及び旧姓のある人はその戸籍の履歴、出生地、両親について、知ることができました。自分の先祖がどの地域をルーツとする家系であったのか、誰と誰の血がつながっているのか、私が今使っている本籍地住所は何代前から使っている住所地なのか…… 等々を知ることができ、大変興味深かったです。

これ以上は親族のプライバシーにも関わる話なので具体的な話はしませんが、 意外なことも結構書かれていて、取得した価値はあったと思っていることだけは書いておきます。

改製原戸籍について

戸籍は平成16年(2004年)以前のものはすべて手書きで書かれています。この平成16年以前の手書きの戸籍のことを改製原戸籍と呼びます。

www.city.minato.tokyo.jp

今回、最も古いもので明治16年(西暦1883年)の改製原戸籍が手に入ったのですが、当時の戸籍はペンが滲んでしまっていたり、明らかにインクの雫が戸籍の紙の上に落ちてしまっているものもありました。また、スキャン時に感度が悪かったのか字が薄すぎて読めないものもあり、先祖の名前がわからないものもありました。電子化って偉大ですね。

かかった費用

戸籍謄本3通、改製原戸籍10通で、 450*3+750*10= 8850円かかりました。

まとめ

  • 令和6年時点では、戸籍のさかのぼり取得の手間はかなり減り、非常に取得しやすくなった。
  • 取得が早くできるかは役所が空いているかどうか次第なので、天気がとても悪い日や大安でない日など、戸籍課の手が空いてそうな日を狙うと良さそう。運が良ければ1日だけでもかなり取得できる。
  • 役所の人が本籍地の漢字が読めてなさそうだった場合は、こちらから助言したほうが良さそう。
  • (大いに人によるが、)戸籍には案外自分の知らない意外なことが書いてある。8850円かけた価値はあった。
  • 記憶が曖昧になるので、こういうブログは早く書いたほうがいい
    • 6月にやったことを10月にブログ記事書いたら思い出せなすぎて絶望した

  • 私が親の戸籍を離れ新たな戸籍を作るやつをする日は、まだ当分来ないと思います*4

*1:理由を聞かれた場合は「家系図作成のため」とかで良い

*2:この記事では、 https://twitter.com でアクセスできる Web サービスのことを一貫して Twitter と呼びます

*3: 原則2営業日後以降後日当日交付できない場合があります受付日を含めた6営業日後 などのように、自治体によって交付日はまちまち

*4:杞憂民が居たら困るので念の為明言しておきます